モダンスイマーズ『死ンデ、イル。』稽古場レポート 18.7.12
演劇学科企画制作コース4年 山口敦子

本番を一週間後に控え、稽古場では通しが行われていた。

稽古場に見学に行っていた演劇創造のメンバーたちから、話には聞いていたが、やはり稽古場へ行くのは緊張する。私自身、芝居の稽古場に足を踏み入れるのは1年ぶり。ドアの前で一度深呼吸してからドアノブに手をかけた。

すでに通し稽古は始まっており、内容も半分を過ぎたあたりのようだった。本番さながらの空気感に、一気に全身に力が入る。
そんな本番さながらの空気感は、その場にいる人間すべてが生み出していた。
俳優たちは、現段階の全力で通しに挑んでいるように見えた。稽古だからと手を抜くことはない。全力をぶつけ、全力で返す。そこには俳優ではなく、役そのものが存在しているように見えた。
通し稽古の進行に合わせて、各々の作業を黙々と確認するスタッフたちも、芝居を楽しみながら観ているようで、時折笑いが起きていた。気持ちの良いタイミングで入る音響に、楽しみつつも仕事を全うするプロフェッショナルを感じた。
短い見学の時間の中で必死にメモを取りながら観る私に、「選択肢ないし、こどもだし」と繰り返される叫びが刺さる。そこに至るまでの芝居をすべて観ていたわけではないにも関わらず、稽古の段階からきちんと観ている者にセリフが刺さってくることに、学生とは力量の差があることを感じさせられた。感情を揺さぶる演出が多く、本番が楽しみになる。

通し稽古が終わり、一斉に稽古場を離れた俳優たち。残された稽古場の空気は、まるで終演後の劇場のようで、芝居の余韻が漂っていた。
次第に人が戻って来て、それぞれ話し始める。私が稽古場に来た時には通しが始まっていたため、素の俳優たちをここで初めて目撃した。やはり、演じている時とは姿勢も目つきも違っていて、稽古場の空気も柔らかくなっていた。
時間になると自然と集まり、ダメ出しが始まった。演出の蓬莱さんも、俳優たちと同じく床に座り、同じ姿勢で台本をめくり始めた。上からではなく、物理的に俳優たちと同じ目線にいることが印象的だった。実際に、ダメ出しの内容も、問題点を蓬莱さんが提起し、それを俳優たちと相談しながら解決策を探しているようで、ともに芝居を作ってきているチーム感が伝わってきた。

スタッフからも何点かアナウンスがあった後、本日の稽古は終了となった。
現時点でこれだけの空気感を作り出しているこの芝居が、あと1週間でどう変化していくのだろう。楽しみだ。