モダンスイマーズ『死ンデ、イル。』稽古場レポート 18.7.11
演劇学科演技コース4年 新田周子

 稽古場潜入3日目。この日は30分ほど返し稽古をした後、Bキャストの通し稽古が始まった。
 福島県浪江町と、避難先の二本松市が舞台の今作は、隣県の被災地出身である私にとってかなりナイーブに刺さる。役者の皆さんや演出家さんの動きを俯瞰しようと思っていたのに、震災からちょうど7年4か月のこの日、特別な思いでつい前のめりになりストーリーを追ってしまう自分がいた。
 時間を忘れて見入り、2時間弱。ここが劇場でないことが不思議なほど、大きな綻びはなく通しが終了した。
 ダメ出しはとても丁寧だった。目的の明確でない動きを修正し、登場人物の欲求と立場をはっきりさせた上で、それを「計画的にみせる」ことなく「生の空気」を存在させる。演出の蓬莱さんの言葉選びは緻密で、シーンごとに演者に適切なたとえを探しながら伝え、演じていないこちら側にも言葉がすとんと落ちる感覚がある。この細かな言葉のやり取り、確認の積み重ねがストーリー全体の無常さを引き出しているのだと思った。観客は、自然なようでいて作りこまれた間のいいセリフ運びに吸い込まれるように、いつの間にか登場人物それぞれの心中にある葛藤や煮え切らない思い(グレーな部分)に思いを馳せるのだ。
 ここから本番まで、気づけばあと1週間強。どこまで積み上がっていくのか目を離さずにいたい。